プロジェクトのご説明

iLog

(アイログ)

意思疎通が難しい子供とその保護者のためのWEBアプリケーション。

プロジェクトの詳細

意思疎通が難しい乳幼児、家庭環境が不如意な乳幼児と、その保護者のために、より子供の感情をよく理解し、成長に応じて子供の状態を追跡、観察できるウェブアプリケーションです。 Spring Boot、Spring Securityを利用してウェブアプリケーションサーバーを構築し、Thymeleaf、JQueryを利用してフロントエンドを構成しました。 MySQL、MongoDBを利用してデータに合うデータベースを構築しました。 OpenAIのAPIと連携してAI感情分析を処理します。

プロジェクトの目的

幼い子どもたちは、自分の感情を言葉で表現するのが難しく、不快な気持ちや悲しさをうまく伝えられないことがあります。そのため、保護者や先生は子どもの気持ちを正確に把握するのが難しく、観察に頼った主観的な判断に留まることが多くなります。 従来の感情把握手法(会話、行動観察、心理検査)は、それぞれに限界があり、リアルタイムかつ継続的な感情分析が困難です。 そこで、AIを活用して子どもの感情を定量的に分析・可視化するWebサービス「iLog」を企画しました。 iLogでは、子どもがアップロードした絵や文章、表情を含む写真をAIが分析し、 • 保護者や先生が感情状態を視覚的に把握できるようサポートし • 状況に応じた対応ガイドラインを提案し • 保護者と先生が同じデータを共有して一貫した支援ができる仕組みを提供します。 このサービスを通じて、子どもは自分の感情を理解し表現する力を育み、保護者や先生はより的確に子どもの心のサポートを行えるようになります。

活用した技術

HTML
CSS
Javascript
jQuery
Thymeleaf
Spring Boot
Spring Security
H2Database
MySQL
MongoDB
OpenAI
Github

ハイレベルアーキテクチャ

high level architecture

プロジェクトのポイントと学んだこと

このプロジェクトで特に注目すべき点は、子ども・保護者・先生という複雑なドメイン関係を適切に分析し、それに基づいてユーザー体験を設計し、データベースを構築した点です。 子どもの心理分析に使用される写真や絵には、単に対象だけでなく、同行者や天気などの付随情報も必要となることが多く、これらを一貫して扱えるデータ設計が求められました。 また、長期間にわたる心理データを一目で把握するためには、情報を適切に変換し、グラフなどで視覚化する仕組みも必要でした。 たとえば、AIによる感情分析結果のようなドメインエンティティは、感情の対象、分析された感情結果、その結果に対するメモや評価など、多くの関連エンティティを持つ構造になっています。そこで、エンティティの正規化を適切に行い、整合性を高めつつ、クエリのパフォーマンス向上を実現しました。 また、心理アンケートデータについては、構造がRDBに適さず、一度生成されると更新・削除が少なく、主に読み取り中心の特性を持つため、NoSQLデータベースを導入しました。これにより、システム全体の構造をシンプルに保ちつつ、拡張性も確保することができました。 さらに、Spring AIを活用してメディアと一緒に送ったpromptからの生成AIの応答を安定的に所定のデータ形式へとパースし、実用的に利用する技術も習得できました。